虹虫
曇りの日
<4>

「ケンジ、ねぇケンジったら」



俺はナツミの声で目を覚ました。



目を開くと、目の前にこっちを見て微笑むナツミの姿があった。



いつもの笑顔がそこにあった。



「なんだよ、ナツミ」



俺は黒い学ランを着ていた。



ナツミは赤いスカートに白いブラウスを着ていた。



そうあの雨の日をきっかけに俺達は友達になった。
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