彼氏売買所
「あ、あの、あたし毛利といいます!」


あたしはもう一度しっかりと名前を名乗った。


「毛利? どっかで聞いたことあるな」


ホスト風の男はそう言い、眉間にシワを寄せて考え込んだ。


「あたしの祖父が、こちらで借金を作っていると思うんです」


そう言うと、男は思い出したように手を叩いた。


「そうだった。そっかあそこのお孫さんか」


ホスト風の男はなぜだか嬉しそうにほほ笑んであたしを見つめた。


その視線に後ずさりをする。


「で、なにか用事?」


「あの、これ……」


あたしはすぐに鞄から封筒を取り出し、ホスト風の男に差し出した。
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