惚れ薬
するとサキはほほ笑み「可愛いでしょ。これ買うために頑張ってお金を貯めたんだよ」と、話始めた。


1万円くらいする財布だけど、今のあたしなら余裕で買う事ができる。


「すごいねサキ、バイトでもしたの?」


「うん。すっごく大変だったんだから」


サキはバイトの大変さと、財布を買った時の喜びを大げさに語りはじめる。


あたしは半分聞きながらしながらも、うんうんと相槌を打った。


周りの子たちはすでに飽きた顔をしているけれど、あたしは熱心に耳を傾ける。


するとサキは更に調子に乗って、関係のない自慢話までしはじめた。


サキの自慢話は永遠と続き、気が付けばホームルームの時間になっていたのだった。
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