惚れ薬
空地へと近づいて確認してみると、プレハブ小屋があった場所だけ草が横倒しになっている。


ここに建物があったという証拠だ。


けれど、1日でなくなってしまうなんてどういうことだろう?


初回無料なんて書いてあったし、リピーターを増やさなきゃお金にならないはずなのに。


「ま、いっか」


各地を転々としている占い師なのかもしれない。


こんなところでボーっとしてたら学校に遅刻してしまう。


あたしはそう思い、早足で歩き出したのだった。
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