惚れ薬
一瞬昨日と同じ占いの館だと思ったけれど、看板には《アロマ雑貨店》と書かれている。


「アロマ……？」


近づいて見ると、３人の女の子たちがお店から出て来た。


手にはこのお店の紙袋が持たれている。


「いらっしゃい」


女の子たちを見送りに出て来た男性の店員さんが、あたしに気が付いてそういった。


背が高く、銀縁眼鏡が良く似合う男性だ。


２０代前半くらいに見える。


「あのこのお店って……」


「あぁ。今日限定で出店させてもらってるんだ。アロマ専用の雑貨店だよ」


男性はそう言って店内を見せてくれた。


狭い店内の四方には木の棚が付けられ、そこに沢山のアロマが並んでいる。


小瓶やお香タイプのもの、加湿器専用など、多種多様だ。


「どうして今日限定なんですか？」


「ここの土地主さんの意向だよ。ここは学生さんがよく通るから、色々な店を日替わりで出したらどうかって話になったんだ」


その話を聞いてあたしは納得した。
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