惚れ薬
「確かにどうでもいいかもしれないけど、その薬が本物なら遼太郎に好きになられるってことだよ?」


真弥がそう言うと、初美は顔をしかめて舌をだした。


「それは無理。そこそこイケメンであまり面識のない人って……いる?」


そう聞かれても、あたしは首を傾げるだけだった。


そもそも異性の友人や知り合いはそんなにいない。


「ま、ゆっくり考えようよ。惚れ薬は逃げないんだからさ」


真弥がそう言い、惚れ薬をあたしの机に戻したのだった。
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