監禁少女
お金~音サイド~
おかしい。


お金が目的ならもうすでに両親に連絡がいっているはずだ。


あたしはぼんやりとテーブルの向こうのドアを見つめてそう考えた。


男はパンと牛乳を回収して、それから1度も現れていない。


もしかして両親はお金を出し渋ったんだろうか?


そうだとしても、祖父がちゃんと動いてくれるはずだ。


世間体が大切なあの人たちが、娘を見殺しにするとは思えない。


すぐに解放されると考えていたのに、想像以上に時間がかかっている。


舌打ちしたい気分になった時、ようやくドアが開いた。


覆面男が入って来る。


「あれ? さっきの人は?」


すぐに覆面男が別人だと気が付いた。


体格が違うのだ。
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