監禁少女
あたしは奥にあるドアを見つめた。


あのドアの向こうになにがあるのか調べ方がいい。


気力を振りしぼり、体を移動させていく。


その時だった。


さっきまで背もたれにしていた壁から、ドンッという物音が聞こえてきて動きを止めた。


壁は入って左手側だった。


「誰かいるの……?」


思わず、そう声をかけていた。


どれだけ大声を上げたって何も聞こえてこなかったのだから、誰かがいる期待は薄い。


もしかしたら犯人が隣の部屋へ移動しただけかもしれない。
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