監禁少女
唖然として部屋のドアを見つめるあたし。


テーブルの上に残された食べ物へ視線を向ける。


なにも付けられていない、焼かれてもいないそのままのトースト。


牛乳は拘束されたままでも飲めるようにストローが付いている。


これがあたしの食事ということなんだろうか?


なら、あたしはやっぱり誘拐されたの?


途端に心臓が早鐘を打ち始めた。


「誰か……!」


誰もいない空間へ向けてそう声を上げた。


「誰か! 誰か助けて!!」


覆面男が入って来たドアへ向けて叫ぶ。


「誰かぁ! 誰か助けてぇ!!」
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