ジンクス
気持ち
黒川高校の中庭には暖かな4月の日差しが差し込んでいる。


まだ少し肌寒いと感じる日もあるけれど、今日は丁度よかった。


「で、相談ってなに?」


木製のベンチに座り、一緒にお弁当を広げていた武上花梨(タケカミ カリン)が箸を止めてそう聞いて来た。


あたしは自分のお弁当箱から顔を上げて友人の顔を見つめる。


「なによ、深刻そうな顔して」


そう言って来たのは菓子パンを片手にもっている中居杏(ナカイ アン)だった。


2人とも、この高校に入学してから友達になった。


1年生の頃から仲良しで、3年生になった今年は3人一緒のクラスになれた。
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