ジンクス
こんな他愛のない会話でも、十分に幸せだと感じることができる。


「俺たちが猫だったら、涼しい場所もよく知ってるのになぁ」


「そうだよねぇ」


ゴロゴロと気ままな猫になってみたい。


健と日長1日、好きな事をして過ごすんだ。


時々お互いを毛づくろいしたり、じゃれ合って遊んだりして。


ぼんやりとそんな事を考えていると、健の手が止まったのが視界の端で見えた。


視線を向けると、お弁当の上に箸がおかれている。
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