ジンクス
「美味しい……?」


「もちろん」


杏は大きく頷いた。


それならあたしの味覚は正しいと言うことだ。


それなら、どうして健は食べてくれなかったんだろう。


ジワリと嫌な予感が胸をかすめた。


「どうしたの、ナツミ」


花梨がそう聞いてくるけれど、あたしは左右に首を振った。
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