ジンクス
杏は呆れている。


「そうなんだろうね……」


そう呟いてため息を吐き出した。


あんなにキッパリと言い切られてしまったら、もうどうすればいいかわからない。


あたしが一生懸命作ったお弁当も、なんだかかわいそうに見えてきてしまう。


「口ではそう言ってても、毎日ナツミのお弁当を食べてたら気持ちは変わって来るかもしれないよ?」


花梨があたしを慰めるようにそう言って、頭をなでてくれた。


「そうかなぁ……」


正直、自分にそこまでの影響力があるとは思えなかった。
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