ジンクス
☆☆☆

それからあたしたち3人は常に健を視界の端に入れておくことになった。


健がよく話をしているのはサッカー部の生徒で、男子生徒が多い。


時々女子生徒から声をかけられたりしているけれど、自分から話そうとはしていないみたいだった。


「健が一番仲良い女子生徒って、ナツミじゃん?」


昼休憩に入ってすぐ、杏がそう言って来た。


「そんな気がしてきてたところ」


あたしは苦笑いを浮かべてそう言った。

午前中ずっと健のことを見ていたけれど、女子生徒と仲良くしている様子はほとんど見られなかった。


それなら、お昼にお弁当を一緒に食べているあたしが一番近い存在ということになる。
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