ジンクス
「ご馳走さま」


すっかり空になったお弁当箱に、あたしは頬が緩んだ。


本当に美味しく食べてくれたんだと嬉しくなる。


「あのさぁ、健って本当に恋人を作らないの?」


あたしはまわりのカップルたちを見ながらそう聞いた。


「そうだな。高校にいる間はいいかな」


「……どうして?」


健へと視線を向けてそう聞いた。


「相手に迷惑をかけたくないから」


「迷惑……?」
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