ジンクス
後ろからそう声をかけられて振り向くと、そこには健が立っていた。


手にはサッカーシューズとユニフォームが握られていて、これから練習へ行くのだとわかった。


「健。これから部活?」


「あぁ。ナツミ、どうかしたのか?」


「あたしは大丈夫だよ」


そう言って慌てて立ち上がる。


部活前の健をここで捕まえるワケにはいかない。


しかし、立った拍子にまた足が痛んだ。


思わず顔をしかめ、手に持っていた薬が落ちて行った。
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