#初恋_ハツコイ_
「なあ和泉」


思い出したように永山がこちらを向く。


『んー?』


「…お前さ、好きな人とかいねえの?この歳になっても」


永山は“小4以来あんまり喋ってないからさ、気になって”と続けた。


『うん、そーだね、好きな人…?んー、あんまり考えたことないなあ……永山は?』


「俺?…俺は秘密」

彼はふははと笑ってまた前を向いて歩き始めた。


『いるんでしょーね、その反応は。ところで…誰?』


彼は振り返らずに答えた。

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