あしたの星を待っている
「瑠偉、くん」
あのね、本当は分からないことだらけなの。
自分の気持ちも、先輩の本当の気持ちもよく分からない。
でも、怯えてばかりの自分は嫌なの。
だから努力して克服したいって思うけど、自分の選んだこの道が正しいのかどうか不安で、息が苦しくなる時があるよ。
なんて言ったら、困るよね。
昔なら、迷わず瑠偉くんに話していたのにね。
「矢吹くん」
数年ぶりの魔法は、さほど効果を発揮しなかった。
常緑樹の向こうから彼を呼ぶ声が聞こえて、その方向へ顔を向けると、ペットボトルを持った黒沢さんが立っていた。
もう終わる? 終わった。 私も終わった。
そんな会話をしながら、ペットボトルを受け取る瑠偉くん。
キャップを開けて1口飲んで、自然な様子で黒沢さんにそれを返す。
瑠偉くんを挟んで目が合った彼女は、いつものツンとした表情ではなく、にこやかな笑顔を見せて、またねと手を振った。
『俺は付き添い』
もしかしてその相手は、黒沢さん?
だったら、ねぇ、七海。
やっぱり考え過ぎじゃなかったのかもよ。