私の失恋の行き着く先は…No.1
半年前…。
キッチンで料理していた私は、上の棚にあるお皿を取ってもらおうと、コンロの火を止めて寝室に向かった。
どうやら電話中らしく、微かに声が聞こえてくる。
寝室のドアを握った私は、聞こえてきた言葉に固まって動けなくなってしまった。
間違いなく『見合い』と聞こえた。
目上の人と話しているらしく、話し声は敬語で丁寧だった。
『明日、うまくやりますから心配しないでください』
私の頬にツーっと涙が流れた。
10歳年上の彼は端正な顔立ちで背も高く、仕事も出来るエリートサラリーマン。
なによりとても優しくていつも私を甘やかしてくれる。