終わりなき戦に花束を
その声に、翡翠の顔が固まった。

「大丈夫だよ?今日は偵察に来ただけだから」


「っ!」

ばっと振り向いたそこには―――誰もいなかった。



小雪でさえも顔が真っ青だ。

翡翠は小雪を見る。

「知ってるんですか…?”あいつ”のこと…」

「近藤さんからね、聞いたの…」



小雪の声は掠れて、震えていた。



「帰ろう、今”あいつら”は動かないだろうから、しばらくは様子見しないと…」

「はい…近藤さんには言いますか?」




「言っちゃだめ。大騒ぎになったらダメだから」

震えた小雪の声に、翡翠は黙って頷いた。
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