ふたり、微熱




「くだらない」




目の前にはホースを私に向けながら先程まで高笑いをしていた女子3人。


私のボヤキが聞こえた途端、顔を引き攣らせた。




「はぁー?何様のつもりだよ、お前」


「もう一回言ってみろや」


「調子に乗るなよ?」




3人それぞれ低い声を出しながらこちらに鋭い視線を送る。


調子に乗るなって、貴方たちだけには言われたくないのだけれど。


声にでかかった本音はグッと、飲み込むように堪える。


というか女子トイレで嫌がらせとはなんて捻りのない……。




「……くだらないって言ったのだけれど、聞こえなかった?」




3人の握りしめる拳が震えたかと思えば、リーダー格の化粧の濃ゆい女がホースの口をこちらに向けた。




「なまいきッッ!!」


───パシャ



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