夢に手が届くまで
ほんとに情けなくて、涙が出てくるよ。


はぁ……どうしよう。

このままじゃいけない、そんなの馬鹿な私でもわかる。



「もう松崎先生のところにヘルプ行きなよ」


「……やっぱりそう思う?」



私の言葉に、凪紗はコクンと頷く。

松崎要(まつざき かなめ)先生は、私たち理数科の数Bの担当だ。



だから、当たり前だけど私のことも見てるわけで。

そして、松崎先生は運がいいのか悪いのか、去年わたしの数Aを担当していた。

だから、私の数学のできなさは把握済みなんだけどさ。



松崎先生は、高二の理数科にはめちゃくちゃ厳しいと有名だった。

毎年泣く生徒が勃発とか。


その噂が怖くて、なかなか聞きに行けないのも事実なんだけど。



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