桔梗の華 ~途中公開~



妖気の元を辿り着くと
お屋敷?お寺?跡形もなく壊されてる。

「なんだい、遅いじゃないか」

その中心に禍々しい妖気を放つ女の人が立っていた
髪を簪でまとめて白と赤の着物が
その女の美しさを引き立てている。

「てめー、この匂い。闇雲の仲間か!」

神威が威嚇しながら女に叫ぶ
女は扇子を閉じて腕を組む

「仲間ねえ〜、そんな生温いもんじゃないよ」
「どーゆこと?」

「アタイは造られたのさ。」

造られた?この人は何を言ってるの?

「人間の憎悪と悪鬼の塊。それがアタイだよ」
「なら、あなたは人間なの?」

私の問いかけに笑い出す女

「あっはは、桔梗あんた面白いね〜」

?!なんで名前知ってんのよ
闇雲の仲間だから知ってて当然か…


「人間の心には闇が少なからず住んでる。その闇を大きく増大にしたらどうなるかわかるだろ?」

「…伊助さん…」

「そうさ、人間も妖怪も変わらないのさ、まあアタイは元は人間でもなけりゃ妖怪でもないけど、そうだね〜例えるなら闇雲の分身」


分身?この人は造られたと言った。
なら闇雲は力を増大させてるって事?

「アタイの退屈に付き合っとくれよ」

女は扇子を開き【龍蛇ノ舞】



たちまち風の渦が出来て私たちに向かってくる。禍々しい妖気を含んだこの風に当たれば
一溜りもない


「神威!」

「あぁ!」

神威は私の前に立ち腰に差していた刀を
抜き出し迫ってくる風に向って【風砕牙】
鋭い刀は風の渦を刃の様に切り裂いてく

「凄い…」

これが神威の刀…
まるで風を打ち砕く様な…

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