桔梗の華 ~途中公開~
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「ままー!見て!綺麗なお花!」

あれ…私…

「ふふ、走ると危ないわよ桔梗」

ママ?

ふんわり笑うママは少し若く見える

これ夢かな。

「ここはね、ママが桔梗の為に見つけた場所なのよ」

「桔梗のために?ママありがたいとう!」

きゃっきゃっと無邪気に笑う子は私?

あれ、私ママに抱きついて……




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「ママ!このお花はなんて言うの?」

「ん〜これは桔梗。同じ名前でしょ」


優しく笑うママを見て心がポカポカする

「桔梗ちゃんが産まれる時にね夢を見たの」

ママの指先が桔梗の花に触れる

「ゆめ〜?」

ママの真似をして私も花に触れた



「ママの知らない人なんだけどね。昔の人かな〜?」

「むかしのひと〜?」

「ある女の子を愛おしそうに見つめてるの。その女の子は消えちゃって、男の人は永遠に待つって桔梗の花を枯らすこと無く持ち続けてたのよ?」

「なんで女の子はきえちゃったの〜?」

「愛する人の為に消えちゃったの、ママもそこまではわからないけど誠実な愛って感じがしてね。あー、この子は桔梗なんだわって」


ニコリの微笑むママに私もニコリと笑う

「さあ、もう起きなさい」

「?…ママ?」

桔梗の花と一緒に消えたママを
泣きながら探す幼い私。

そうか、私の名前の意味…分かった。
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