桔梗の華 ~途中公開~
おとう、おかあ、すまねえ
やっぱりオイラは弱い…
もうダメだと諦めて白蛇の口が
帆を包み込もうとする寸前
【風砕牙】
鋭い風が牙のように白蛇を切り裂く
た、助かったのか?
オイラ助かったんか!!
バッと顔を上げると刀を肩に置いた
神威の姿が見えた
「おめーなにしてんだ?心中でもしようとしてたのか?」
憎たらしい神威が今は仏に見える!
うぅ、泣き出す帆に刀を鞘にしまい頬を掻く
「なんじゃ神威!どこいってたんじゃ!」
泣き喚きながら神威の足元に引っ付く
ひょいっと襟元を掴まれて宙ぶらりんになる
「俺は刀の手直しに行ってたんだよ。てめーはこんな森でなにしてやがったんだ?」
「ううー!バカタレー!お、お前を探しにだな…」
宙ぶらりんのまま腕を組みそっぽを向く帆
はあーとため息を零す神威にジタバタして
「お前が急にいなくなるから桔梗は不安なんじゃ!お前のせいじゃぞ!」
妖怪を退治しようとした事を棚に上げて
神威に指を指す
「分かってら、只あいつを守る為に俺だってやる事はあんだ。」
「神威…貴様、」
神威の表情は真剣で帆は胸を打たれた
やはり、オイラだけ成長してないのか…
しょぼんと落ち込む帆を見て
どうしたもんかと考える神威だが
帆を通り過ぎスタスタと村へ向かう
「……」
オイラはやっぱり邪魔なんだ。
いつもは「こら!まて!おいてくなー!」と
飛び跳ねて付いてくるのにその場に立ったまんまの帆。
ピタっと神威が立ち止まる
「お前がいねーと桔梗が泣くぞ」
後ろから聞こえる声に「え?」と振り向く
神威は背中を向けたまんまで____。
「だからよ〜お前がいねーと桔梗も蘭丸も悲しい思いすんじゃねーの?別に鼻からお前に強さなんか求めてねーし」
ギクっと身体が反応する
こやつ、気づいてたのか!
「お前も俺もそうだろ?ハッ、よわっちーてめぇと同じなんざ御免だけどな」
また歩き出す神威に帆は涙が止まらなかった
このバカに慰められたのは屈辱だが
オイラはみんなといていんだ!
くっと袖で涙を拭い
「こらー!オイラを置いてくなー!」
神威の後を追った。
帆の顔は嬉しそうだった。