愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


口を拭きながら軽く睨んでみせる。


「もう、何いってるんですか」
「えー? 俺は至って真面目だけどなぁ」


全く真面目な様子はなく、ニヤニヤしながら心さんは言う。


「ダメダメ、この子には見込みないわよ。好きな人がいるんだから、ねぇ?」
「主任!」


慌てて鈴木主任の口を押さえるが、すでに遅かった。
心さんは「えー」と首を傾げる。


「それって真紀のこと?」
「え」


さらっと言われて、逆に私が驚いてしまう。
心さん、気がついていたの?


「えっと……」
「なんとなくわかってたから大丈夫だよ」


ニコニコと笑顔の心さんは、誤魔化さなくて良いと言う風に片手を軽くあげて私の言い訳を遮る。


< 105 / 262 >

この作品をシェア

pagetop