愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


「そこはマキに詳しく聞かないとわからないけど、マキはずっと藤堂ドクターを説得していた。そしてやっと解放されたんだ」


藤堂ドクターとは真紀さんのお父さんのことだろう。説得していたってどういうこと?


「なのに、やっと帰国したらこんなチンチクリンな女でしかも結婚サイトとか見てるし。そんなふしだらな奴にマキはあげられないよ」


やや憤慨気味にジョンは言う。ふしだらって、なかなか最近聞かないセリフだなと思う。


「ジョンは真紀さんが好きなのね」
「ラブではないけど、ソンケーしている」


胸を張って言うジョンにクスリと笑ってしまった。


「ありがとう。あなたのお蔭で、真紀さんと少し話そうかなって思えてきた」


そう言うと、またフンッとそっぽを向かれてしまった。
ジョンはきっと真紀さんの想いを伝えに来てくれたのだろう。


「僕は君みたいなタイプは好きじゃない。でも、マキの暗い顔は見たくないんだ」
「そう」


暗い顔をしていたのか。
真紀さん、少しは私に都合よく解釈してもいいですか?


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