愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


私が言葉を濁すと鈴木主任はうんうんと頷き、「男か」と断定した。


「なんでそう思うんですか?」


きっぱりと言われてつい反論するような言い方をしてしまったが、鈴木主任はニヤニヤと笑っている。


「だって仕事は順調だし、大きな案件や困った事態にも陥っていないでしょう? 周囲とも上手くいっているし、先週まではいつも通りだったし。だから何かあるとしたらプライベートでしょう? 時々何かを思い出しては赤くなる所を見れば、男のことだって予想がつくわよ」


まさにぐうの音も出ない。さすがというか、なんというか。本当よく見ていらっしゃる。
これにはこちらも苦笑いするしかなかった。


「で? 彼氏となにかあった?」
「いえいえ。別に彼氏なんていないです。ただ……」
「ただ?」


どう言おうかと口ごもっている時、鈴木主任の左手の薬指に輝く指輪が目にはいる。




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