愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
恥ずかしく思いながらも藤堂先生はそこから退くつもりはなさそうだ。仕方なく、見られながらもお粥を一口食べる。
「美味しい!」
「だろ。それ食ったらゆっくり寝ろ」
藤堂先生はそう言って私の頭をクシャッと撫でた。大きな温かいその手にドキンとする。そして、ドキッとするのにもっと触れてほしいとも思ってしまった。
そして、あっという間に完食する。
「食欲があるなら大丈夫だろう。食べて吐き気とかないか?」
「大丈夫です」
「そうか」
藤堂先生は穏やかに微笑みながら、私に飲み物を手渡す。
それを受け取り飲んでいると、先生がボソッと口を開いた。
「来月あたり、飯でも行こうか」
「え?」
突然のお誘いに、驚きで目を丸くしてしまう。藤堂先生は変わらない表情をしているから、一瞬空耳かと思った。
私、今ご飯に誘われた?
「この前、レストランに連れていく約束しただろう?」
「あ、ああ、あれですか」
思い出したかのよ覚えている。高級なレストランに連れていってほしいと言ったやつだ。
でも、あれは半分は冗談ではあったのだけど。