曖昧な私に珈琲を。
今日は雨が振っていた。

沙羅好みのトリートメントとヘトヘトになるまで付き合ってお茶をしていた。

「ふぅ、気に入ったの見つかってよかったよ…」
「さんざん付き合わせて悪かったわね。でもいいのよ。こういうのもたまには。ほら、ドリンク奢るわよ」
「ホント?やった」

大学の講義の話で盛り上がって2時間位話した後に今日は帰る事になった。

時間はもう20時になっていて、どれだけの時間探し回ったんだと何だか一周回って面白くなった。

お会計をしているその時だった。

「由真、あんたは払わなくていいのよ?」

「いや、悪いよ」

「いいのよ。そういうのはね、あんたも女の子なんだから私におごらせてちょうだい」

「…?女の子は奢られるってなんか変」

「今日のお礼って事よ。わかりなさい!」

「…はい。ありがとうございます。ごちそうさまです」

「はいはい。じゃあ店の外で待っててね」

「はーい」

店の外に出ようとしたとき、通りすがりの二人組をふと見て私は時が止まるのを感じた。


「え…?」
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