曖昧な私に珈琲を。
「…。実は、疎遠になっていた大切な人と会ったんです…。ばったり、たまたまだったんですけど。大切な人って二人いて、その両方がいて、なんというか、二人は私抜きでも楽しい生活が行えてると思うと話しかけずにはいられなくなったんです」

「この前カフェで言ってた大切な二人の事?」

「はい…」

「確か、幼馴染からは告白されて振っちゃって、親友はその幼馴染が好きだったからその事を話したらキレられて疎遠になった…って感じだったよね。ちょっと複雑というか」

「そうなんです。でも違ったんです…」

「そうなの?」

「私は。最初から幼馴染の方が大切だったんです。だから親友だった子が幼馴染と私抜きで楽しそうにやってるのをみて、酷く嫉妬したんです…」

「それで…その子に酷いことでもしちゃったのかな?」

唯さんはあくまで穏やかに聞いてきた。私を攻めるとか、問いただすとかそういう感じがなくて私はすんなり頷く。

「私、ほんとサイテーなんです。そのこの前で幼馴染に媚売って見せて…それで幼馴染の反応が良かったから安心して…自分勝手過ぎます…見せつけるなんて、なんでしちゃったんだろう…」

「由真ちゃんはその親友の子が大好きだったんだね」

「え?」

「やったことは酷いことだったかもしれない。けど大切だったからこそやった事後悔したんだよ。後悔するってことはそれだけ大切な相手だったからだったからじゃないかな?」
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