iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
次の日、自分のアパートに久々に帰った。
久々だから掃除をしたいがする気も起こらない。
でもとりあえずトランクだけでも片付けよう。

私は玄関に置きっぱなしのトランクをリビングへ運ぶ。

このトランクは私が逃げ出す時にいつも一緒に居る。

母から逃げて、次は坂本君、その次は仁……。

トランクを開けると目に一番に飛び込んできたのは仁のお弁当箱。

もう仁に御飯を作ることも無いんだ……。

私は勝手に溢れだした涙を拭い、気を取り直してトランクの物を出す。

服を取り出していくと姿を現した物に私はハッとする。


……これ、仁の香水……。


手に掴むと仁の香りが漂ってきた。
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