iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
Last
「会、長……」

画面に映っていたのは高そうなスーツを身に纏った会長。
勝手に体は震えだす。

『鈴宮さん。君が居ることは分かっている。君が開けないのなら此方から開けるからな。鍵はここにもあるから』

モニターの通話ボタンを押していないのに、話し掛けて来る。
私がここにいるのは、お見通しってわけね……。

「分かりました……今、開けます」

私は観念し、通話ボタンを押して扉を開けた。

執事を一人連れてやってきた会長。

「鈴宮さん、単刀直入に言おう。今すぐ此所から出て行きなさい。そして仕事を辞めて仁の前に二度と現れるな」

部屋に入ってすぐに高圧的な態度で私に言い放った。

本当に単刀直入ね……。
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