iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
「……出きません」

せめて仁に自分の気持ちを言うまでは、出ていかない……。

私が拒否すると会長はわざとらしく溜め息を吐いた。

「君の言い値を出そう。幾ら欲しいんだ」

「要りません」

「大学に行きたいだろ?お金が有ればまた目指せる」

「お金は要りません!」

この人はお金ばっかり。
本当に腹が立つ。

「そう言うと思ったよ。でもこれを見ても君は此処に居るつもりか?」

「え……?」

そう言って会長はスーツのポケットから何かを取り出し、そして私に見せた。

それは通帳。
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