同居生活始めました。


「ただいまー」


「おかえり~」



私の声に返事をしてくれる人がいる・・・。
こんなのいつぶりだろ・・・。


感動して、ぼーっと突っ立てしまう。

・・・どうしよ、泣きそ・・・・・・。



ぼーっと突っ立ている私を不思議に思ったのか2人は心配そうな様子で私を覗き込んだ。


「桃・・・ちゃん?」

「おい、どうした?」


だけど、私には2人の声なんて届いてない。
昔の記憶が蘇る・・・。



“おいっ!何泣いてんだ!あ?”

“ご、ごめんなさい・・・っ!”


泣くな、泣いたらまた殴られる。



「・・・な、泣いてないのでっ、な、殴らないで・・・下さいっ・・・」



そう言うと、シーンとなった。

静かに顔を上げてみれば、そこには驚いた様子の蓮と陸。



あ・・・、そうだここはあの場所じゃない。



「桃ちゃん、大丈夫、大丈夫だよ」


穏やかな声で陸は微笑んだ。


蓮は無言で私の頭に手をポン、と置いて無言で部屋に行ってしまった。



蓮に触れられた時は、何故だかいつもの恐怖ではなく安心した。



< 22 / 22 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:7

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop