同居生活始めました。
「ただいまー」
「おかえり~」
私の声に返事をしてくれる人がいる・・・。
こんなのいつぶりだろ・・・。
感動して、ぼーっと突っ立てしまう。
・・・どうしよ、泣きそ・・・・・・。
ぼーっと突っ立ている私を不思議に思ったのか2人は心配そうな様子で私を覗き込んだ。
「桃・・・ちゃん?」
「おい、どうした?」
だけど、私には2人の声なんて届いてない。
昔の記憶が蘇る・・・。
“おいっ!何泣いてんだ!あ?”
“ご、ごめんなさい・・・っ!”
泣くな、泣いたらまた殴られる。
「・・・な、泣いてないのでっ、な、殴らないで・・・下さいっ・・・」
そう言うと、シーンとなった。
静かに顔を上げてみれば、そこには驚いた様子の蓮と陸。
あ・・・、そうだここはあの場所じゃない。
「桃ちゃん、大丈夫、大丈夫だよ」
穏やかな声で陸は微笑んだ。
蓮は無言で私の頭に手をポン、と置いて無言で部屋に行ってしまった。
蓮に触れられた時は、何故だかいつもの恐怖ではなく安心した。