moon~満ちる日舞う少女~【下】
〜美月side〜
香「美月!!!」
美「香月…」
香「なんで昨日帰ってこなかったんだよ!!なんで姫やめてんだよ!!なんで黄平の仕草さんと会ってんだよ…っ!!!」
美「…どれに一番答えてほしい…?」
香「………出ていったって…本当か…?」
美「本当」
そう。私は月龍の姫をやめると同時に、家を出た。香月と離れるために。
香「な、んで…せっかく……っ。せっかくまた姉ちゃんと暮らせたのにっ」
美「…これは必要なことだったの」
香「…っ。…」
美「ねぇ。香月…。私は舞月なの。だから月龍とはいられない。…」
香「俺が…月龍だから、家を出たのか…?」
美「違う。…言ったでしょ?香月は決して裏切らないって。だからこそ、一緒にはいられない」
香「…意味が…わかんねぇよ…っ」
美「香月はあんたは私の弟。それも双子のだ。…私の半身みたいなものでしょ?…2度と、失うのは嫌なの。…だから、お願いっ。今は、お姉ちゃんの話しを聞いて?」
香「…っ…。…わかんねぇ。…だから少し考えさせて」
そう言って香月は私の横を通り過ぎて言った。
さすがに香月には嘘はつけない。…でも、どうしても一緒にいられない。
だって、私は…
✖✖✖なのだから。