私の失恋の行き着く先は…No.3
「安住さん!起きてください!」
何度か揺すって起こそうと試みるが、彼女は一向に起きる気配を見せない。
それどころか、「もぅ飲めましぇ~ん」と寝言を言っている。
実に酔っぱらいは厄介だが、あまりにも普段とは違う彼女を見て、なんだか可笑しくなってきた。
お節介に乗ってもいいかもしれない、という気持ちを持ち始めていた。
所長と専務のニヤニヤとした顔が頭に浮かんでくる。
二人の思い通りにコトが進んでいるのは嫌だったが、もう引き返すつもりはなかった。
「安住さん、立てますか?」
彼女の荷物を持ち、肩に手を掛けて抱き立たせ、バーを後にした。