偽りのない自分で。
第2章
晩ご飯を食べ、お風呂に入り、ゆっくりしようとしたその時だった。
電話だ。
着信画面を見ると、“未来ママ”と書いてある。
未来のお母さん?
私に何か用だろうか。
一応、未来のお母さんとは連絡先を交換しておいた。
けれど、あっちから着信が来るのは初めてだった。
議問に思いながら、電話を取った。

「はい、もしもし」
『あっ、美雨ちゃん?未来の母です』
「どうしましたか?」
『あのー、未来ってそっちに行ってないかしら?』
「未来なら、今日は来てませんよ?」
『本当?どうしよう』
「どうしたんですか?」
『実は、まだ未来が家に買って来てなくて・・・』
「えっ!大丈夫ですか?」
莉江がいない?
心配になって来た。
『それに・・・』
「それに?どうしたんすか?」
『未来ね?今日コンビニ行ったらしんだけど、どうやらそこで万引きしたみたいで』
「えっ!ま、万引き?!」
『うん。そしたら、未来逃げちゃたんだって』
「嘘・・・。近くにはいないんですか?」
『ええ、探したんだけど。学校の先生方も探してくださってて』
「分かりました。私も連絡とってみます。」
『本当?助かるわ。ありがとう』
「いえ。じゃあ、また」
『ええ。何かあったら連絡するわ』
「はい」
すぐに電話を切った。
30秒程の電話だった。
スマホの奥から聞こえる、叔母さんの声は泣き出しそうな声だった。

未来が万引き?
有り得ない。
学校でも家でも優等生の未来。
未来が犯罪をして、そして逃げているかもしれないなんて。
一気に不安が押し寄せて来た。
とりあえず、未来に電話する。
でも何回かけても彼女は出なかった。
未来は無事なんだろうか。
今度はメールを送った。
LINEも送る。
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