恋?…私次第。~好きなのは私なんです~

「展開、早かったですね。こんなに早く決めてしまうとは思いませんでした。…そういう事?」

「……え゛?」

これも、ちょっとしたやきもちになるんだろうかとさっきの事を考えていた。

「ハハ。…本当…解り易いなぁ。はぁ…シちゃったんだ…。梨央さんて、自分の事、話す人じゃないだろうけど、とても解り易いです。心の動きが」

あ、…もう。

「どうして?」

「え?」

「…どうして、簡単にそんな事言うの?」

「解り易いから」

……もう。自信満々の顔で言わないで…。

「そんな事言われたら…恨んでしまう…」

何も言わなくても、私の事を解ってくれる…。私を見てくれてる…。

「どうして俺が七つ年下なのか…、何故、私はもっと遅く生まれて来なかったのか。何故…、あと数日でも早く会っていなかったのか。ですか?」

「あ…もう、だからどうしてよ…」

「解り易いって、言ってるでしょ?でも、それでは俺達は会っていなかったでしょ?」

「そう…きっと、そうよね」

…はぁ。…運命、か、…。

「…結婚、するの?」

「え?んー、まだ、何も…解らない」

「そうなんだ。でも、するかも知れない」

「何も…話してないから…」

「じゃあ、滑り込みだ。もしかしたら…母親になるかもって前に…貰っときます」

…え?…え…?

テーブルに手をつき身を乗り出すと顎を上げられ唇を重ねられた。…ぁ、俊佑君…。

「…ん。…油断、しては駄目ですよ?知ってる人間だって、男は怖いモノだって、ちょっとくらいは思って無いと。
俺は紛れも無く親父の息子ですから。DNAは同じだって事です。母親のDNAもかなりの肉食なんで。
俺…、梨央さんの困った顔、好きですよ?キスの事は内緒にしててください。
じゃあ、そろそろ戻りますね。あ、バイトの子なら心配しないでください。さっきのあいつの話は嘘ですから。バイトの子は元気です。恭子が急にちょっと出て来るって出掛けたと、その子が連絡して来ましたから。…そういうヤツなんですよ、変な事梨央さんに言って気を悪くさせて、代わりに謝ります、ごめんなさい」


…は、ぁ。お見通しだったんだ。ある意味、俊佑君が一番冷静な大人じゃないの…?
あ、いや、しかし、これは……。はあぁ…。一人で残されると、とんでもなく恥ずかしいじゃない…。

【高守さん、息子がドキドキさせます】

RRRR。わっ。

「はい?もしもし?」

かけてくるの、早…。

「何かあったのか?何かされたのか?アイツはまだ一緒なのか?だから、一対一で会うんじゃないってあれ程言ったのに。梨央が…」

「DNA、だそうです」

「…は?」
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