【BL】お前を抱きたい



会社の最寄り駅に着いた。

改札を出た後も彼は、人混みに飲まれている俺の事を待っていてくれた。


やっとのことで改札を通過する事が出来た俺に彼が声を掛けた。



「佐々木は小柄だから、波に飲まれるんだよ」


「こっ…、小柄なんかじゃありませんっ」



否定する俺に、彼は



「…ん、可愛い」



と言って、額にキスを落としてきた。


「…なっ!ひっ…、人が見てますっ」



動揺する俺に彼は言ってきた。



「別に人が居ようが居まいが関係ねぇ。…本当に好きならそんなもの気にしない筈だ」


「…それとこれとは話が別っ…」



反論しようとしたが、出来なかった。


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