人形師と武士(もののふ)~魔女の瞳番外編~
第三幕
俺は洋館の応接間へと通されていた。

蘭花曰く、これでも四門メグの棲家である洋館に比べれば狭い方なのだとか。

四門メグの洋館には、強力な結界は勿論、派手に魔術を行使しても一切音が漏れぬような地下室まで完備されており、つい先頃まではその地下室に竜まで住まわせていたとか…。

同じ魔女でも、四門メグはやはり別格の存在という事らしい。

「して」

俺は応接間の椅子に腰掛ける。

「聞かせてもらおうか、お主の妹…天羽菊花について」

「……」

蘭花は苦しげに視線を下げる。

「わかりました…その前に、お茶を淹れましょう。少し長い話になるかも知れませんから」

彼女は厨(くりや。台所の事)へと向かう。

「紅茶とコーヒー、どちらがいいですか?」

その問いかけに。

「濃い番茶を所望致す」

「は…はぁ…そうですか…」



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