人形師と武士(もののふ)~魔女の瞳番外編~
話を戻そう。

「蘭花。ならばお主は俺に、菊花の操る亡者達のみを斬れというのだな?」

「はい」

蘭花は頷く。

「菊花が操る亡者がいては、私はあの子を説得する事すらできません。時貞様には、亡者達の足止めをお願いしたいのです。私は…」

蘭花は決意を込めた眼差しを俺に向けた。

「私は命に代えても、菊花を説得します。死霊魔術を捨てさせてみせます」

「……」

俺は溜息をついた。

菊花も言っていた。

これは蘭花と菊花の問題。

人形風情の俺が首を突っ込む問題ではない。

「承知した」

思うところは色々あるものの、とりあえず俺は頷くのだった。

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