ひとりぼっち
『加奈は、どこ?』

「知らないよぉー…」

『…どっか行けば?』

「えー?」

『どっか行けば?』


愛歌は真っ直ぐ椿沙を見つめる。

椿沙も目をそらさなかった。

しばらくして、愛歌がニッと笑った。


「やっぱり愛歌、嫌われちゃったよネ……愛歌のせいだよね……椿沙が………………」

『どっか行ってよ!!』


椿沙が涙目で言った。

愛歌はびっくりして椿沙を見た。

そして「トイレ」とだけ言って走っていった。

なんだか少し、泣いているように見えたのは気のせいだろうか。
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