変わる想いを貴方に捧げる

···一緒に食事を


鈴音が目を覚ますと
えっ、ここは?
あっ、和真さん!!

車の窓から外をみると
和真さんが佇んでいた。

その横顔をみたら
なぜだか胸がキューンとなり
私は慌てて車から降りて
彼の横にいくと・・・
彼は、前を見たまま
「起きたのか?」
と、訊ねてきた。

私は
「はい、寝てしまってすみません。
起こしてくれたら、良かったのに。」
と、言うと
「いや、俺が無理に誘ったし
あまりにも
気持ちよさそうだったから。」
と、言われて
恥ずかしくなり
「なっ、すみません。」と。
すると、和真さんは
「そんなに詫びるなら
償いにちょっと遅いが
一緒に食事をしてくれ。」
「それでは、償いにはならないのでは。
でも、ご一緒します。」
と、言うと
和真さんは、嬉しいそうに
「ああ、そうしてくれたら
ありがたい。」
と、言った。

それから、和真さんは私の肩を抱いて
私を車に乗せて走らせた。

ついたのは、最高級の
マンダリンオリエンタルホテルだった。
彼は、私をおろしてフロントへ
「浅野様、ようこそいらっしゃいました。
本日は?」
「支配人、ご無沙汰しております。
今日は、私の大切なお客様を
お連れしたのですが
シェフは、いらっしゃいますか?」
「はい、直ぐにご準備を。」
と、言って
案内をしてくれた。

案内された場所は
外が一望できる
個室の部屋だった。
「すごく綺麗
  引き込まれそう。」
と、はしゃぐ私に
「気に入ったか?」
と、和真さんがすぐ隣に立った。
「はい。」
「料理が、来るまで
見ていたら良い。」
と、言う和真さんに
「うふふっ、和真さん
いつも女性にこんな事を?」
「ないな。
女と食事をすることなんて。」
「ええっ、うそ。」
「嘘は、嫌いだ。」
と、話していると
料理が次々に運ばれ
シェフが、挨拶に見えた。
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