情熱的に愛して
そりゃそうだ。

秋香は、伊達さんに誘われたから来ただけで、もう一人が誰だって構わない。

じゃあ、門馬雪人は?

私はチラッと、奴を見た。

こっちも先輩に誘われたから、来た模様。

合コンなんて、鼻から思っていない。


しくじった。

どうやら、そう思っているのは、私だけみたい。


「思いのほか、門馬が早く来たし。4人で飲み放題にしようか。」

伊達さんのその意見に、激しく首を縦に振った。

ごめん、秋香。

相手が門馬雪人なら、二人きりになりたくない。

それなのに、だ。

「いいですよ、先輩。俺、一杯呑んだら帰りますから。」

「何だよ。いいじゃないか、ずっといたって。」

伊達さんが、門馬雪人の肩に腕を回す。
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