鬼畜教師

降りる駅まであと20分くらいあるし…

これに乗ってないと遅刻しちゃうし…

でもこのままも絶対嫌だ!!

気付いてる人いるでしょ~!!

痴漢にあった友達が言ってたけど、声が出ないって本当だったんだ;;

誰か助けてよ~;;


「おい」


ふぇ?


「あんた何してんだよ?」


痴漢からの恐怖に泣きそうになったときにあたしの耳に届いた声。

それはあたしを救うものだった。


「わ…私は別に…」

「へぇ~…。そんなこと言うんだ。でも俺見たんだよね。あんたがこの子の尻触ってんの」

「なっ!?」

「ごまかそうとしたって無駄なんだよ。…次の駅で降りてもらうからな」

「くっ…」

「お前もだぞ」

「あっ…はい」


思いがけず助けてくれた人がいてくれて助かった…。

でも混んでいるため背の低いあたしには顔を上げることが出来なかった。

だからあたしはこの人の顔が見えない。

…でもどっかで聞いたことあるんだよね…この声。
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