あっちじゃなくて、俺のほう向いて。
南美ちゃんの家は私の家と逆でお母さんがシングルマザーで、朝方まで家に帰ってこないことがほとんどらしい。

いつも家に誰かがいてくれる私からすれば、家に自分1人だけなのがどれだけ寂しいのかはわからない。


「ただいま、芽依ちゃん。」

「おかえりー。今日朝間に合った?」

「んー、車とばしてなんとか、ね。」

「もー、気をつけてよ。事故とかほんと困るんだから。」


< 9 / 594 >

この作品をシェア

pagetop