甘やかして、私だけ
次の日*:*:~~
「じゃーん!」
目的地について、仕事帰り一緒に歩いてきた将くんに手を広げ紹介する
「ここは!あの!!居酒屋でーす!」
そうここは、二年前将くんが私を見つけてくれた場所
その時、私は全然知らなかったんだけど・・・
「さぁ、さぁ中へ…」
ぽけっとする将くんを店内へ押し込む
「いらっしゃい!お、あかねちゃんだ!」
「お久しぶりです!」
明るい店長の声と居酒屋独特のわいわいした空気
ほんっとに最高!!
最近は友子と杏奈とも来られてなかったし
自分が浮かれてるのがわかっちゃうな
「ちょっと~最近見ないと思ったらこんなイケメン連れてくるなんて!!」
パパ泣けちゃうとか、店長、いつから私のパパになったの…
席に着いた私たちをからかいにきた店長に肘でつつかれる
そんな店長を察し、律儀に挨拶をする将くん
「初めまして、三村将っていいます」
「将君ね、よろしく!
それにしても、あかねちゃんおてんばで大変でしょ?」
それにしてもって何!?
「もーここで愚痴ばっかり言ってべろべろになって帰る姿見てたら…もう…」
「ちょっと!店長、余計な事言わないでください!!」
そして、泣きまねをするな!
確かに、店長にはいろいろ迷惑かけてたかもしんないけど!!
「むぅ。」
「そんな怒んないでよ、嬉しいんだよあかねちゃんが幸せそうな顔してて」
幸せそうな顔?
私は、キョトンとしてふくれていた顔を元に戻す
「あかねちゃん美人さんになったね?」
そういって見せた店長の笑顔は、まさに
「店長、本当に私ののパパみたいじゃん!」
娘を見届けるお父さんみたいな顔やめてよ!
たしかに、地元に帰ってきながら心のよりどころがなかった私は
よくここに一人でもきてたっけ
この温かい場所に今日は将くんと来れてよかったな・・・
そう思い、私は前に座る将くんをこっそり盗み見た