甘やかして、私だけ



「…って。…早く水!!喉乾いた!!」

「あ、はい。」



あかねちゃんのせいで悶絶していたというのに。。。


ホント。容赦ないなぁ。





「…んー!生き返ったー。」


え、水で?


俺が渡した水を飲み、まだ酔っているものの落ち着いたあかねちゃん




それにしても…



「ねぇ。なんで、そんなに俺の事クンクン嗅いでるの?」



突然立ち上がって近づいてきたと思えば、


首筋やら手首をクンクンと嗅いでくるあかねちゃん


なんか・・・、


「くすぐったいんだけど…!」


「あ、ごめん。」


「…いや、別に嫌じゃないけっ…」
「将くんが昔付けてた香水あるでしょ?」


遮られた…



「…うん。」


学生時代は結構キツめに付けてたかなー。


あかねちゃんに出会った頃の香水は結構気に入ってた記憶がある




「その香水と同じ匂いだったの…八城くんが……っ‼」


あまり聞きたくない名前が出てきて、無意識にあかねちゃんを抱き寄せた…


いつもより体温が高くて、力ないあかねちゃんは大人しく腕の中に納まっている



「あのっ、将くん…。」


「だからって、あんなことしていいの??」


香水が同じってだけで、酔ってたからって俺の知らない男に甘えていいの?


俺はそんなことしないけどねっっ!!


そんな、皮肉を思っていると、


「ごめんなさい…っ」


そう、腕の中で、ぎゅーとしがみつくように抱き着いてくるあかねちゃん


・・・・・。



そんなことされてもぉ?

俺ぇ?、今回、結構…怒ってるしぃ?


「・・・。」


すぐに返事をしない俺に、返事を待っているあかねちゃん…




俺の胸に顔をうずめて、

表情が見えないあかねちゃんの顔を少し覗き込もうとすると、



「……三村くん?」

「っ…!」



なに、その俺のこと探るような上目遣い…

なに、その懐かしい呼び方…



もぞもぞと少し動いたと思えば!!とんでもないことしてくれたな!!




「…っ、そーゆーあかねちゃんは、俺に言いたいことないの?」


こんな時に動揺しているとバレたくなくて話を変えてみる


あかねちゃんすーぐヤキモチ妬くからなぁー!!



「うん、無いよ。」


「へっ?」


「だって、全部私が悪いから。」


「へっ?」



素直じゃーん。。。








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