甘やかして、私だけ
*:*:*:*~~



「たっ、ただいま~…」


「おかえり…。って、なにコソコソしてるの?」




泥棒みたいに、こっそり家に帰ってきた三村くん


しかも、私の顔色を疑ってるみたい


変なの・・・。まぁ、いつも変だけど。






「あの、これ、よかったら食べて…」

「え!!いいの!?」




三村くんがそおっと…


差し出してきたソレは





私の大好物プリン!



しかも、これ、ちょっと高いやつ!!



テンション上がってるのが隠せないよ!!




数円の贅沢を節約している私はたまにしか食べれないわけで!




「そのプリン好きでしょ?」


大事にプリンを受け取る私を見て少し笑う


し、知ってたんだ。隠れて食べてたのに・・・!!





「そのプリン食べてる時、あかねちゃん3倍かわいくなるから」


「はい?」


そんな、優しい笑顔で言われても・・・



「三村くんってすぐかわいいとか言うよね…」


絶対、思ってないでしょ・・・



まぁ、モテモテな三村くんが女の子にかわいいって言うぐらい、何てことないのはわかるけど




プリンはありがたいけどかわいいは受け取れません!!


「フンッ」



わたし、なんで、こんなにムキになってるんだろう…




「本当に思ってるんだけどなぁ…」

ボソッと何かつぶやく三村くん


「え?なに?」


なんて言ったか聞き取れなかった



「なでもない!!けど、…俺ってそんなに軽そうに見えるかな?」

「うん。とても。」

「うっ」


だって、私にかわいいとか言ったり、触ってきたり


将来のお嫁さんが悲しむよ



「そっか・・・。俺風呂入ってくるね。」

「うん…」



帰ってきてから悲しそうな顔ばかりする三村くん



どうしたの、本当に。


いつもなら、ご飯なにーって飛びついてくるのに、お風呂行ったし・・・




もう!なんか今日、わかんないことが多くてモヤモヤする!!







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